ヨゼフ会では有志が数年前から毎年のように復活祭が終わった5月から6月にかけて、地方の古いカトリック教会を訪ねる巡礼の旅に出ます。
今まで五島・長崎(2010年)、平戸・馬渡島(2011年)、秋田・山形(2013年)を巡りました。そして今年5月には小日向の切支丹屋敷跡など都内の江戸キリシタン史跡を一日かけて回りました。

この「ヨゼフ会いきいきだより」で巡礼メンバーの綴った下記の巡礼記をご紹介します。
1.隠れキリシタンの里を訪ねて(2011年5月 平戸・生月巡礼記)
2.馬渡島キリシタン探訪記(2011年5月 牧山家ルーツを訪ねて)
3.祈りの島々を旅する(2010年6月五島・長崎外海巡礼記)

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隠れキリシタンの里(平戸・生月巡礼記)
                         牧山

昨年の五島巡礼に続いて、今年もヨゼフ会有志5人で長崎県の平戸、生月と、佐賀県の呼子、馬渡島の教会を訪ねて巡礼の旅に行ってきました。
平戸大橋を渡る前に最初に訪ねたのは田平教会です。この教会も五島の堂崎教会、長崎外海の黒埼教会と同じく教会建築の第一人者鉄川与助による設計です。赤レンガ作りの三廊式でステンドグラスがとても美しい。 全体としてどっしりとした趣きは100年以上の歴史を感じさせられた教会です。 二俣川と同じ「日本二十六聖殉教者」を守護聖人としています。田平教会(田平天主堂)は2016年の世界遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する教会の一つでもあります。

田平教会 大正4年から3年の歳月をかけて、信者達の手によって建設されたロマネスク様式の荘厳な赤レンガづくりの教会。平成15年12月国指定重要文化財

田平教会の美しい側廊とステンドグラス

平戸大橋を渡りいよいよ平戸に入りました。
道案内してくれた私のいとこ夫婦にお礼を述べて別れました。平戸島のほぼ中央に位置する紐差教会は浦上天主堂が原爆で破壊された後は日本最大の教会だったと聞きます。私たちがお御堂の中に入ろうとしたら鍵がかかって入れず、司祭館に行って神父様に開けてもらってようやく聖体訪問することが出来ました。

「最近は観光客の悪戯や盗難があって早めに鍵を閉めています」と、神父様は説明された。お御堂の中は天井が高く広々として、鉄川与助の特徴である花柄模様のステンドグラスが飾られています。祭壇の前はじゅうたんが敷かれ正座してお祈り出来るようになっていました。この教会を建替えるために信徒の方々がどんなに尽力されたかと、想いながらしばし祈りました。

宝亀(ほうき)教会 世界遺産「長崎の教会群」の登録の暫定リストに含まれていた。

宝亀(ほうき)教会 世界遺産「長崎の教会群」の登録の暫定リストに含まれていた。

紐差教会を後にして宝亀教会を訪れました。この教会は長崎教区のなかでも古い歴史をもつ教会として知られています。地域的には紐差教会のすぐ隣の教会と、いう感じです。この教会もまた地域の人々の深い信仰によって生きつづけているそんな思いを感じさせられました。特に白い漆喰とレンガのコントラストが美しい教会です。

翌日の日曜は、平戸教会(ザビエル記念教会)の主日のミサに授かりました。聖堂に入ると先唱者のかん高い声が聖堂内に響いてきます。100人ほどの信徒の方々はミサ前に心をひとつにして朝の祈りを唱えていました。女性はベールをかぶり右側、男性は左側に座るのが長崎教区にみられる一般的光景です。ミサが終わってから尖塔のグリーンが鮮やかなお御堂と、マリヤ様の御像をゆっくりと見学してこれからの巡礼の旅の安全を祈りました。

いよいよ生月の山田教会へ向かいます。生月島は1991年平戸島と全長960mの橋で結ばれて便利になりました。昔はほとんどの島民が熱心な信徒だったと聞いています。山田集落の高台に建つこのお御堂も鉄川与助の設計で大正元年に建てられました。私たちが訪問した時、信徒の皆さんや神父様が教会の清掃を行っていました。かつては鶴見にあるアトメント会のコールトン神父様も3年間主任神父として着任しておられました。珍しい蝶の羽が描かれたこの教会のステンドグラスは旅のガイドなどでしばしば紹介されて有名ですが、私はマリヤ様が悲哀の表情を浮かべる「悲しみの聖母像」が特に印象に残りました。若い神父様と信徒の皆さんに挨拶して山田教会を後にしました。

生月大橋、平戸大橋を渡り左手に海を眺めながら、伊万里を通って佐賀県の呼子教会を目指し快適なドライブが出来ました。途中で呼子教会の教会委員長森さん(私の同級生)に連絡をして案内していただきました。この教会は馬渡島にあった建物を移築再建したそうです。教会内部の造りはこれまで見てきた教会と同じコウモリ天井、木造造りで県下の教会ではもっとも古い歴史を誇っています。

呼子教会 堤神父様とともに

呼子教会 堤神父様とともに

堤神父様から司祭館に招かれ、美味しいコ―ヒーのもてなしを受けました。呼子教会ではこの地に共同体が出来てからちょうど100年経っており、今その記念行事に全員で取り組んでいると、説明されました。しばらく歓談した後、中庭にあるマリヤ像の前で記念撮影し、今日の宿泊地である波戸岬の国民宿舎に向かいました。

そして明日はいよいよ名護屋港から最後の巡礼地、馬渡島へ渡ります。