コロンビア、行ってみたら魅力的! 第3回  -ノリコ感覚 その10-

-パパ様はじゃがいも?-

コロンビアのことを書くのは3回目になるだろうか。6月のほぼ1カ月間を2度目の訪問となるコロンビアで過ごした。いろいろと治安のことなどを心配してくれる日本にいる日本人のことを一時忘れて、とにかくラテンの明るく自由な雰囲気の中で楽しく元気に過ごせたことはありがたかった。
何が明るく自由なの?という質問には、現地のバスを例にして答えてみたい。世界中で、たぶん1時間あたりの本数が一番多いのではないか(大袈裟?)と思えるのが、マニサレス市内を走るバスだ。 5社くらいあるどのバスも、平均1時間に30本くらいありそう!乗る時に1700ペソを運転手さんに手渡すのだが、日本円では70 円くらいの価値と考えたらいいと思う。すごいのは、コインだけで払おうと、2000ペソ や5000ペソなどの紙幣で払おうと、どの運転手さんもちゃんとおつりをくれることである。間違えたり、文句を言ったりはしない。何と器用なことだろう。あちらにいる間にコパアメリカの大会があったのだが、コロンビアの試合がある日は、運転手さんたちはタクシーも含めて、みんな黄色いコロンビアカラーのサッカーユニフォームを着ているので、あら、今日は試合があるのねとすぐわかる。町の人たちも思い思いに黄色いシャツなどを着て歩いている。すごい一体感だ。

マニサレスの青いバス

マニサレスの青いバス

バスはカーブの多い尾根の坂道をスピードを出して走る。席に座っていてもスリル満点で滑り落ちそうになるし、立っている人はなおさら大変だ。二人掛けの席がほとんどだが、荷物をたくさん持っていても、多少太目の人でも1席空いていれば必ず詰めて座る。身体がくっついていることが日本と違ってそんなにいやではないらしい。車内では音楽がガンガン鳴り、電話をかける人も多いし、大きい声で話すことに何の制約もない。当然のことながらエアコンは付いていないが、日本の夏のように蒸し暑い訳ではないので一応大丈夫。雨が降っても窓を開ける人多数!とにかく自由で明るくてゆるいのだ。一度、大きな荷物を抱えてバスに乗ってきた女性が『この先の店の前で降ろして。』と運転手さんに言っているのを見た。日本でいう○マト運輸の出店のような所でその荷物をどこかへ送るらしい。運転手さんも心得たもので、無料でそこまで乗せていって降ろしてあげていた。これもある意味ゆるいけれどほっこりしてしまう良い光景だった。

マニサレス市内 ここにもバスが

マニサレス市内 ここにもバスが

主人のアパートのすぐ近くにちょっとした食料品店が新しく開店した。店の外にはテーブルが一つと椅子がいくつか出ていて、店で買ったパンなどを食べられるようだ。2回ほど行ってみたけれど、なかなか面白い。たぶん家族で経営しているのだろう。まずは接客をする男性が「パンもチーズもありますよ。」と言ったのでパンを買い、もしかしてじゃがいももある?と聞いてみた。でも、そこからが時間がかかった。「いくつ必要?」と聞くので2つと答え、またしばらくして、別の女性店員さんが、「大きいのがいい?それとも小さいの?」と質問してきた。そんなの一度に聞けばいいのに、と不機嫌になる私。でも、一度にはできないとわかって割り切っている彼らのスローな生き方もありだなと納得する。結局、買ったパンやミルクを一つの袋に入れてもらったが、じゃがいもはというと、まだ用意できていなかった。また少し待って、やっと、じゃがいもが二つ入った袋をゲットした。結局この買い物には10分以上を費やしたのだった。
ところで、「じゃがいも」は南米原産とされている。同じ南米のペルーにはたくさんの種類の「じゃがいも」があるらしい。普通にスペイン語の辞書を引くと、「じゃがいも」は patata である。でも、南米では「じゃがいも」という意味で patata と言っても全く通じない。では、何と言えばいいのかというと、「じゃがいも」はpapa である。「お父さん」は同じ綴りで papaなのだが、後のa にアクセントがつくので、パパという感じになる。では、パパ様はどちら? この答えは、笑っちゃうけれど「じゃがいも」のほうだ。「お父さん」のほうだとしっくりいくのに・・・・・。敬愛すべきパパ様が「じゃがいも」とは!!このあたりもラテンのおおらかさだろうか。

塩のカテドラルの祭壇(シバチラ)

塩のカテドラルの祭壇(シバチラ)

今回は旅行というよりも現地に滞在するという色合いが強かった。だから特にどこかに行ったと言えるような場所はあまりないのだけれど、Bogotáの市内からバスで1時間ほどの所にあるZipaquirá はすばらしかった。日本流に言うと「一大観光地」という感じだろうか。まず、現地の駅前で若い女性がカテドラルの入場券を売っていたので、主人共々恐る恐る買ってみたら、これが何と50,000 ペソと非常に高かった。そして、本当にそれだけの価値があるものなのか、と疑った。でも、そんな自分が恥ずかしいと感じられるほど、Zipaquiráの塩のカテドラルはすごかった!!昔は岩塩の鉱山だったところをきちんと整備して、坑道を14留までの十字架の道行きとし、一番奥に祭壇を設えたのだ。まずはこの発想の豊かさとキリストへの思いの深さに素直に感動した。それぞれの留にはスペイン語と英語で説明文が書いてある。例えば、第6留には、『ベロニカが主の御顔をぬぐう』という1文があった。簡単だがわかりやすい。
ここには恐らく、コロンビア国内からはもちろんのこと、北米やヨーロッパからも観光客が訪れるので、中を案内するツアーはスペイン語と英語の2種類が用意されている。男性ガイドの1人が主人に「英語のツアーにするか?」と聞いてくれた。アジア系だからスペイン語よりも英語、と思ってくれたらしい。主人は「ご心配なく。スペイン語の
ツアーにします。マニサレスに住んでいるので。」と答えていた。こちらではどの人もとても親切だと感じた。シスター方も何人かいらしていて、熱心に、留ごとに工夫された十字架の前で祈っておられたが、ほとんどの観光客はとにかく写真がうまく撮れたらいいという感じで、説明を半分くらい聞いたらカメラを持って移動していった。

食事の時、隣の席になったシスターたち

食事の時、隣の席になったシスターたち

見学を終えてカテドラルの外にあるレストランで昼食をとることにした。以前から食べてみたいと思っていた「バンデハパイサ」を注文する。これは「この地方の料理」という意味で、トウモロコシやご飯、チョリソー(ソーセージ)や豚肉を薄く切って焼いたもの、それにバナナの大きい種類で甘味の少ないプラタノなどが一つのお皿に全部乗せられた豪華な1品である。量が多いので、二人で分けて食べることにして取り分け用の皿を頼んだ。こちらのボーイさん(カマレロという)は、いつでも気持ちよく動いてくれるし、返事も「シ、セニョール」とか「シ、セニョーラ」ときちんと返してくれる。コロンビアに来てから、こういう接客業の人からいやな気分にさせられたことは全くない。本当に幸せなことだ。
〔次回に続く〕