あなたのしもべにしてください

2004年に韓国のウィジョンブ教区から派遣されて横浜教区に来ました。
私は教区司祭で同時にプラド司祭会の会員です。会の霊性の特徴は〝キリストの貧しさを生きること″。イエス様が馬小屋でお生まれになり、十字架につけられ、ご聖体となられたことに倣って貧しく生きます。
例えば、教区司祭としての収入の多くを会に入れ、残りで生活したりします。友達には「プラドに入ったから、メシおごれよ」とふざけて言ったりして。プラド会には尊敬できる司祭がたくさんいます。日本で、在日韓国人のために指紋押捺を拒否して収監されたマキシム・ドビオン神父様や、韓国で労働者の側に立ち、社会の民主化に貢献した司祭など。イエスの弟子として、どう歩めばいいかという霊性がはっきりしてるんです。でも、日本では私はそんなに、貧しく生きていない。回心しなくちゃ。

来日して今年で10年目。今は二俣川教会の主任をしながら磯子教会にも行っています。
私が目指すのは、ブラジルなどで成功した「キリスト教基礎共同体」です。信徒と共に聖書を読み、心を開いて分かち合う。そうすることで教会を活性化したい。
司牧で困難なことに遭遇すると、日ごろは信者さんに「お願いだけでは祈りではない」と言ってるのに、「お願い、マリア様、お願い」ってロザリオで祈ってる。
自分でも笑っちゃいます。祈ると、主から「私があなたをここまで導いてきたのに何を心配しているのか。私だけを見て従いなさい」と言われている感じがします。

私の家族は、元はプロテスタントでした。父が突然「カトリックになる!」と宣言して1984年に一家でカトリックに転籍しました。それが小学校4年のときです。
カトリック教会は荘厳で、それまでの教会の雰囲気とは全然違いました。
ミサをささげている神父様を初めて見た時は感動し、憧れました。その年に初聖体を受けて「お望みでしたら、あなたのしもべにしてください」と真剣に祈ったんです。

中学生になるとソウル教区主催「子どもの召命の集い」に毎月通いました。中学1年生から高校3年生までが対象で、学年ごとに分かれ、お祈りや司祭の講話、分かち合いに参加するんです。夏にはキャンプ、冬には黙想会があって素晴らしかった。集いを手伝うシスターたちや神学生もとっても熱心で感銘を受けました。
黙想会は3泊4日で完全沈黙。午前、午後と1時間ずつ祈る。本格的でしょ。6年間一緒だった仲間は40人いて7人が司祭になりました。日本の子どもたちにもこういう集いを味わわせてあげたい。
司祭になるのが子どもの時からの夢でしたから幸せです。

           カトリック新聞(11月3日付)連載コラム「一人一人の召命物語」より
            許可を得て、そのまま転載しました。